【大田区】ハザードマップの見方|洪水・高潮・内水、どれを先に見る?

大田区のハザードマップを見ようとすると、洪水・高潮・内水氾濫とページが分かれていて、どれを先に見ればいいのか迷いますよね。引っ越し先を探しているとき、台風のニュースを見て気になったとき、実家の周辺が多摩川に近いと気づいたとき——そういう場面で地図を開いても、色の意味がよく分からないまま閉じてしまった、という方も少なくないと思います。

地域情報メディア『オオタノトビラ』のエリア担当ライター、ミチノリです。大田区に住んで長いですが、自分でもハザードマップを見直したとき「こんなに種類があるの」と少し驚いた記憶があります。地図を読む前に、どの災害の話なのかを分けて考えると、だいぶ見やすくなります。

この記事では、洪水・高潮・内水の違いから、多摩川沿いと東京湾側の見方の差、色だけでは分かりにくい落とし穴、避難場所の調べ方まで、順番に整理します。最終的な確認は、大田区や東京都などの公式情報で必ず行ってください。

目次

マップを開いて最初に迷うのはここ

大田区のハザードマップは、2023年(令和5年)から一冊の冊子型にまとまりました。以前は災害の種類ごとにバラバラだったので、一本化されたのはありがたいところです。

ただ、中を開くと「多摩川ハザードマップ」「高潮ハザードマップ」「中小河川・土砂災害・内水氾濫ハザードマップ」と、やはり種類別に地図が並んでいます。どれを見ればいいか分からず、全部開いてみたものの頭が混乱した——というのが正直なところではないでしょうか。

まず「自宅が多摩川に近いのか、東京湾側に近いのか、どちらでもないか」を把握することが先決です。そこから見るべき地図が絞られてきます。

洪水・高潮・内水で何が変わるか

三つの水害は、水がどこから来るかで分類されています。

洪水(多摩川の氾濫)

多摩川の堤防が決壊・越水したときに起きる浸水。川沿いの広い範囲に影響が出る。

高潮

台風の接近で海面が異常に上昇し、東京湾側から浸水してくる現象。川から遠いエリアも対象になる。

内水氾濫

大雨で下水道や側溝の処理が追いつかず、道路や家の周りに水があふれる現象。中小河川の近くだけでなく、区内全域で起きうる。

この三つは別々の地図に描かれています。「多摩川から離れているから大丈夫」と思っていても、内水氾濫の地図を見ると浸水想定が出てくることがあります。見落としやすいのが内水のページで、わたしも最初は「中小河川の話だろう」と思って飛ばしかけました。

多摩川沿いで気にしたい場所の傾向

多摩川ハザードマップは、多摩川全流域で48時間に588mmの降雨があった場合を想定しています。大田区の中でも、六郷土手駅周辺や鵜の木駅の西側では、最大浸水深が5mから10mに達する想定となっている箇所があります。

こうした地域では、水が引くまでの時間も長くなると考えておく必要があります。2階に逃げれば安全、という想定が通じないケースも出てきます。

川沿いだからといって一律に危険なわけではなく、地図上の浸水深と自宅の位置を実際に照らし合わせることが大切です。

東京湾側で気にしたい高潮の範囲

大田区の高潮ハザードマップは、中心気圧910hPaという非常に強い台風が接近した場合を想定して作られています。多摩川の最下流部や羽田・蒲田周辺の海岸低地は、広い範囲で高潮浸水の想定に含まれているエリアです。

高潮は「川から離れているからリスクが低い」とは言い切れない水害で、東京湾に面した低地は特に注意が必要なエリア。蒲田や糀谷・羽田地域にお住まいの方は、洪水マップと合わせて高潮マップも確認する価値があります。

浸水の深さの数字をどう読むか

ハザードマップの色分けは、浸水の深さ(浸水深)を示しています。色ごとの目安を知っておくと、地図が読みやすくなります。

  • 0.5m未満:床下浸水の目安
  • 0.5m~1m:床上浸水、玄関まで水が来る目安
  • 1m~3m:1階がほぼ水没する深さ
  • 3m以上:2階近くまで水が達する可能性

ただし、この色は「その地点で想定される最大の深さ」を示しており、実際にどう水が来るかは地形によって変わります。浸水の継続時間も見ておきたいところで、東京都港湾局のサービスでは「浸水がどのくらい続くか」も調べられます。

色だけで判断しにくい見落としやすい点

迷いやすいのが、地図の色が薄いエリアの扱いです。浸水深が小さいからリスクがない、と早合点してしまうことがあります。

実は大田区の地形は、西北部の台地と、多摩川・内川・呑川沿いの低地、羽田方面の埋立地で大きく三つに分かれています。久が原駅周辺のような「台地の凹地・浅い谷」は、豪雨時に地表の水が集まりやすい地形で、ハザードマップの色と実際の流れやすさが一致しないことがあります。

「地図の色が薄いなら安心」ではなく、自宅の周りが周囲より低くなっていないか、水が集まりやすい地形でないかを併せて確認しておきたいところです。

避難場所を見る前に確かめておきたいこと

ハザードマップには避難場所の一覧が掲載されていますが、避難先の名前だけを控えておくのは少し不安が残ります。

避難場所までの道が浸水ルートと重なっていないか先に見ておきたい

水害時は、自宅から避難場所までの経路が水没していると動けなくなります。ハザードマップで自宅周辺の浸水深を確認しながら、「この道は通れるか」を頭の中でシミュレーションしておくと、いざというときに慌てにくくなります。

マンションと戸建てで変わる見方の差

建物の種類によって、ハザードマップの読み方も変わってきます。

STEP
浸水深と建物の階数を照らし合わせる

浸水深が3m以上の想定エリアでは、2階建て以下の建物は2階でも水没リスクがある。

STEP
マンションの場合は浸水継続時間を確認

上階に留まれても、浸水が数日続く場合は水や食料の備蓄が重要になる。

STEP
戸建ての場合は土地の高低差も見る

同じ丁目内でも、道路や隣地との高低差で水の溜まりやすさが変わることがある。

「マンションの上階だから関係ない」という感覚は、浸水の深さと継続時間を見てから判断したほうが安心です。わたし自身も、ハザードマップを見直す前は「2階以上は大丈夫」と何となく思っていました。

住まい探しで地図と合わせて見ておきたいこと

引っ越しや住まい探しのときにハザードマップを見るなら、地形情報も一緒に確認すると参考になります。国土地理院の「重ねるハザードマップ」では、浸水想定と地形の種類(自然堤防・低地・台地など)を重ねて表示できます。

大田区内では、田園調布や雪が谷大塚周辺の台地エリアは海抜が高く、洪水・高潮のリスクは相対的に低い地域です。一方、多摩川や呑川に近い低地、羽田・蒲田方面の埋立地は、複数の水害リスクが重なりやすい地形です。

地図一枚の色だけで「安全かどうか」を決めるより、地形の成り立ちと合わせて見るほうが、後で「こんなリスクがあるとは知らなかった」と感じにくくなります。

公式情報の確認先と調べ方

大田区のハザードマップは、大田区公式サイトからPDFで確認できます。また、大田区防災ポータルサイトでは、地図の閲覧や避難場所の検索もできます。

  • 大田区公式サイト:防災ハザードマップのページ
  • 大田区防災ポータル:地図閲覧・避難場所検索
  • 国土地理院「重ねるハザードマップ」
  • 東京都港湾局「高潮リスク検索サービス」
  • 東京都建設局「浸水リスク検索サービス」

大田区のハザードマップは直近でも令和8年2月に改訂されており、高潮の被害想定や一時集合場所の情報が更新されています。しばらく前に確認したままの方は、一度最新版を見直しておくとよいかもしれません。

地図を見てよく気になる失敗パターン

ハザードマップを確認した方から聞くのは「色が薄いから安心だと思っていた」「一つの地図しか見ていなかった」という話です。大田区の場合、洪水・高潮・内水の三種類があるので、自宅に関係する地図を全部開いてみる必要があります。

もう一つよくあるのが「避難場所の名前だけメモして終わり」という状態。名前は分かっていても、水害時にそこへたどり着けるかどうかは別の話です。

更新や想定変更がある前提で見ておくこと

ハザードマップの浸水想定は、技術的な知見の更新や気象条件の見直しによって変わることがあります。大田区でも数年ごとに改訂が行われていて、一度調べた内容がそのまま有効とは限りません。

また、避難場所の指定や開設方針は、災害の種類や規模によって変わることがあります。「水害時緊急避難場所」と「震災時の避難場所」は別に指定されているため、水害用の避難場所を別途確認しておく必要があります。

制度や想定は変わるもの、という前提で、定期的に大田区公式情報を確認する習慣をもっておくと安心です。

まず今週末に一つだけ試してみること

難しく考えずに、今週末に一つだけやってみるとすれば、大田区防災ポータルで自宅の住所を入れて「多摩川ハザードマップ」か「高潮ハザードマップ」のどちらかを開いてみることです。自宅が色のついたエリアに入っているかどうかだけ確認できれば、まずは十分です。

全部一気に読もうとすると疲れてしまいます。わたしも最初はそうでした。一枚だけ開いて、自分の場所を確認する——それだけでも、次に台風ニュースを見たときの気持ちが少し違ってくる気がしています。

気になる場所が一つ見えてきたら、その点だけメモしておいてみてくださいね。それが備えの出発点になります。

情報は更新時点のものです。最新情報は公式サイトもあわせてご確認ください。

この記事を書いた人

「オオタノトビラ」ミチノリ

大田区在住のミチノリです。地域情報メディア『オオタノトビラ』で、暮らしに役立つ地元情報を発信しています。

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